2015年2月17日火曜日

津山文化センター公演 

          作・演出   倉本聰  

       ノクターン夜想曲

         富良野GROUP公演
         
           先日、2月10日津山文化センターで
            
            倉本聰
              風化とは、永い年月をかけて、岩が砕けて石となり、
             石が砕けて砂になり砂が砕けて塵となり、塵が風に
             のって飛散して消え去る。そういう現象のことを云います。
              それをもじって、心に刻まれたものが弱くなっていく様を
             世間では風化と呼んでいます。
              本来風化とは、何千年、何万年、何億年かかって塵と
             なり飛散することを云うのですが、今の日本ではちがう
             ようですが。
              僅か3年前のあの原発事故。当時世界をあれだけ震撼
             させたあの記憶が、当事国である日本の中で、こんなにも
             早くこんなにも脆く、早くも風化の様相を呈し始めているこ
             とに、僕は憤りと悲しみを感じます。
              東京オリンピックを招致したい為に、この国の宰相が現在
             の状況を、アンダーコントロールと、笑顔でぬけぬけと云い
             放つこと。
              メルトダウンの始末もつかず、核燃料廃棄物の処理の
             方策さえ見つからぬまま、政府が財界が、そして世論さえ、
             原発再稼働へ舵を切り、更には原発輸出さえ進もうとして
             いる。
              この事故で死の淵へ追いやられた方、故郷をすてざるを
             得ない方、今猶苦しんでいる福島の方々に、何と申しひらき
             すれば良いのでしょうか。
              我々富良野GROUPは、微力ながら少しでも福島に寄り
             添い、風化に対抗する一石を投じようと三年かかってちいさな
             舞台劇をつくりました。
              それがこの「夜想曲ーノクターン」という作品です。
              一生懸命、真剣に創りました。
              小さいけれど我々の思いと感動をお届け出来ると自負して
             おります。
              
             今の日本の、愚かな風化を、少しでもくい止める意志のある
             方に、一人でも多く、観に来ていただきたいと思います。    
              皆様のご協力、ご尽力を、心の底からお願いいたします。 
                          
                   倉 本  聰



                   開演前の文化センター


        あらすじ
 東日本大震災から数年後。
 原発事故避難区域となった海に程近い一軒家に、津波で二人の娘を亡くした中年の男 と同僚を
亡くした新聞記者が入り込む。原発事故以来、時が止まったままのその家にあるのはほこりをか
ぶったピアノ、そして、地震で倒れた3体のピエロの彫刻。
 二人はその家で、同じように津波で父親を亡くした彫刻家の女と出会う。
中年の男は福島原発で事故の時働いていた。ピエロの彫刻が会話します震災のことなど・・・

 公演を観て、日本人はすぐ忘れるの、こんなに早く風化していいの?
 福島ではこれから子ども達が甲状腺ガンになる確立が高くなるのに。
 私も原発は再稼働して欲しくないもう少し国も電力会社も福島の子ども達に
手当をしてほしいと強く思います。国策で原発を推進したのだから。
 舞台の最後に倉本聰さんも見えました。



1 件のコメント:

  1. 昨日の毎日で同趣旨の倉本さんの記事を拝見し同感したところでした。
    何時のブログにもニュース性ある社会問題を投稿していただき眠りかけそうになった私を刺激していただき感謝してます。

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